命がけの恋


光源氏(ひかるげんじ)は、
紫式部の物語
『源氏物語』の主人公で、
架空の人物ですが、


実在の人物をモデルとする説も
唱えられているようです。


「光源氏」とは

光り輝くように美しい源氏を
意味する通称。


母は三歳のとき亡くなり、
その母に似る女性
藤壺への思慕が
彼の初恋となります。


その藤壺の面影を求めて、
生涯、様々な女性と
関係を持つことになります。

 

 命がけの恋

 

光源氏の初恋は、
決して周りに
知られてはいけない恋でした。


何故なら、相手は
帝である父の側室ですから。


想いを寄せているという、
その事実が知れたら、
命すら危ぶまれる・・・


命がけの恋だったのですね。


平兼盛が謳った

「しのぶれど 
色に出でにけり わが恋(こひ)は
ものや思ふと 人の問ふまで」           


を 思い出します。


意味は

心に秘めてきたけれど、
 顔や表情に出てしまっていたようだ。

 私の恋は、
「恋の想いごとでもしているのですか?」

と、人に尋ねられるほどになって。


どれほど隠しても
隠し通せないのが、
表情や視線、態度に
現れてしまう。


それが
人を恋する思いであると。




こういう恋の場合、
不幸な結果が待っていることが
多いようですね。


それだけに燃え上がるし、
抑えきれなくなる。


その光源氏の募る想いを
天が叶えてくれたかのように、
遂に藤壺と 一線を越えて、

後の冷泉帝となる子を 
なします。


ですが、
幸運とも言えるのでしょうが、
この密通の事実は
世に知られることはなかった。


現代で言うなら道ならぬ関係。


その逢瀬が
源氏の思いを更に刺激し、
募る 藤壺への想いが
他の年上の女性へ向けられていく。


光源氏に関わる女性との
それぞれの思いが
交錯していくロマン大作と
思います。

 

 せつない想い故に

 

ただ一人の人への思慕ゆえに、
放浪する心が女性遍歴と
なっていく。


想像しただけでも
切なくなりますね。


あなたには、そんな風に
こころ密かに想う人がいますか?


だとしたら・・・


その、どうにもならない募る想いに
身をよじり、枕を濡らす夜を 
重ねているのでしょうか。