味覚を持たない犬

2009年ですから、
15年も前になりますが

先天的に味覚を持たないマルチーズに
(亡き家の愛犬と同種の犬)

飼い主さんは毎日、

1日6時間かけて食事をさせる
という番組が ありました。


食べないと
命を維持できないために、
嫌がるその子をなだめ、
すかし、追いかけては

ひと口、また ひと口、
食べ物を口に運ぶ。


味覚がないために、
その子にとって食事は
最も苦痛を伴うもの。


その子が吐き出しても、
また口に運ぶ。


何度も、何度も・・・。


気が遠くなるような作業。




飼い主は、
生きていて欲しいからこそ、
ひとくちでも食べて欲しい。


その飼い主の願いと裏腹に、
こんなにも嫌がり、
逃げる愛犬に対して、
生きてて欲しいと願うのは、

自分のエゴではないのか。


自分は、ひどいことを
しているのではないかと
自分を責める飼い主さんも
泣きながら・・・。


飼い主としては、
どんなでも生きて欲しい。


でも、犬にとっては苦痛なだけ。

・・・難しいですね。


自分なら、どうしたろう。


命よりも尊いもの、
重たいものは、ない。


愛しているからこそ、
したいと思うことと、

愛しているからこそ、
出来ないこともある。


子供かもしれないし、
親からもしれないし、
ペットかもしれないけど


人が対峙するには、
悩ましい問題かもしれません。


出した答えは、
どちらも愛であり、


どちらが正しい答えでもない。